「諦めたの?」
その言葉は、たいてい他人の靴を履いてやってくる。
こちらの足に豆ができていることも、
その坂道がどれほど急だったかも知らない。
だから私は、少し笑って答える。
「いいえ。あちらを捨てたのではなく、こちらを選んだの」
咲かない花を責め続けるより、
日の当たる窓辺へ、そっと鉢を移す。
それは敗北ではない。
草も木も、光のある方へ体を向ける。
人間だけが暗がりに居続けて、
根性を証明しなくてもいいのだ。
もちろん、
選んだ直後から格好よく歩けるわけではない。
私は新しい道へ進みながら、
三歩ごとに後ろを振り返る。
未練という名の小型犬が、
裾をくわえて離さないからだ。
しかもこの犬、
たいへん食欲旺盛で、
思い出を一日三食きっちり食べる。
それでも、少しずつ進む。
苦しくて続けられない働き方より、
町でも山でも、
そっと息をしながら続けられる働き方を選びたい。
大勢からの拍手より、
たった一人の
「その気持ち、わかるよ」と出会いたい。
選ぶとは、何かを失うことではない。
残された自分の時間を、
これからどこへ置くのか決めることだ。
同じように人生を選び直した人がいたら、
いつか話を聞かせてほしい。
成功した話だけでなく、
途中で引き返した話も。
地図に載っていない道は、
誰かの遠回りから見つかることがあるから。
今日、私は諦めなかった。
ただ、自分を置き去りにする未来を、
選ばなかっただけなの。
🌹
花よりも
団子を選ぶ
春の知恵
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18:30~翌2:00















