むかしむかし、
「永遠」という言葉を、
本当に永遠だと信じた女の人がいました。
女の人には、愛する夫がいました。
けれど夫の心には、
いつしか別の女の人も住むようになりました。
妻と愛人。
夫はどちらも選べず、
二つの道の真ん中で立ち止まっていました。
女の人は待ちました。
まだ同じ名字を名乗り、
まだ「妻」だった五年間です。
一年目も。
二年目も。
三年目も。
四年目も。
そして、五年目も。
誰とも体を重ねませんでした。
夫を愛していたからです。
いつか夫がこちらを向いて、
「待たせたね」と帰ってくることを、
心のどこかで信じていたからです。
けれど夫は、いつまでも選べませんでした。
女の人は、ようやく気づきました。
夫が決められない間にも、
自分の人生の時計は動いていることに。
待つということは、
何もしないことではありません。
毎日、希望を拾い、
毎晩、失望を飲み込み、
それでも翌朝には愛を信じ直すことです。
五年間、女の人は
誰にも見えない場所で、
ずっと重たいものを持ち続けていたのです。
だから離婚するとき、
女の人は夫に言いました。
「私はあなたと、永遠の愛を誓ったでしょう。
離婚したって、
私たちはまだ生きているんだから、
私の中では、あの誓いは今も有効なの。
だから、私が諦めます。
その人と再婚して、
子どもをつくって、
どうか幸せになってください」
それから女の人は、
泣き顔を隠すように笑って付け加えました。
「私のことは気にしないで。
好きな人なんて、すぐにつくるから。
だって私、モテるし♪」
窓辺のお月さまは、
🌝「最後のところは、かなり本当ね」
と、こっそり笑いました。
女の人は慰謝料も受け取らず、
身ひとつで家を出ました。
お金も、家具も、
結婚生活の取り分も持たずに。
何も持たなければ、
心も体も軽くなれると思ったのです。
たしかに、最初の一歩は軽やかでした。
けれど後になって、
空っぽだった鞄の中へ、
たくさんの後悔が入り込みました。
どうして五年も待ったの。
どうして私ばかりが諦めたの。
慰謝料くらい、
受け取ってもよかったんじゃないの。
すると鞄の中の小鳥が言いました。
🪽「愛は格好よく手放せても、
家賃は格好よさでは払えませんからね」
女の人は泣きながら、
ほんの少しだけ笑いました。
後悔は、ときどき夜になると、
黒い小鳥の姿で枕元にやってきました。🐦⬛
けれど後悔とは、
間違った道にだけ現れるものではありません。
どちらを選んでも何かを失うとき、
人の心には必ず小さな影が残るのです。
夫はいま、幸せに暮らしています。🧑🧑🧒
女の人は空を見上げて尋ねました。
「それで良かったのよね」
お月さまは、静かに答えました。
🌝「ええ。
でも、彼が幸せになったから、
あなたの選択が正しかったのではないのよ。
あなたが五年間も愛したことは、
彼のその後とは関係なく、本物だった。
そして、誰も選べない人の隣で、
六年目まで自分を待たせなかったことも、
あなたが自分に与えた愛だったの」
女の人は、胸に手を当てました。
そこにはまだ、
五年分の悲しみがありました。
でも同じ場所に、
五年分の愛もありました。
彼を幸せにしたかった優しさも本物。
何も受け取らずに去ったことを
悔やむ気持ちも本物。
「あれで良かった」と思う心も、
「あれで良かったのかな」と泣く心も、
どちらも嘘ではないのです。
あの日、女の人は
身ひとつで家を出ました。
けれど本当は、
たったひとりだけ連れてきた人がいました。
五年間、置き去りにしていた
自分自身です。👤
永遠の愛を誓うことと、
永遠に自分を後回しにすることは、
同じではありません。
彼の幸せを願ったのなら、
今度は自分の幸せも願っていい。
誰かを五年待てた人なら、
もう自分を一日だって
待たせなくていいのです。
女の人の人生は、
あの離婚の日に終わったのではありません。
あの日ようやく、
自分を連れて歩き出したのです。🤝
身軽な両手には、
これから新しい幸せを
抱きしめるための場所が、
ちゃんと空いていました。🌙💖
🌹遠い遠い国の物語、かな?😌☕️
#明日出勤です #本日出勤です #雑記






























































































































































































20:00~翌4:00




















