私に唯一の本物があるとするなら、
それは、愛である。
そう言うと、まるで愛の達人みたいだけれど、
私はまだ道半ばだ。
むしろ愛の一年生。
補習の常連である。
考え、実行し、失敗する。
信じて、傷つく。
守りたくて、抱きしめる腕に力を入れすぎる。
幸せにしたくて、自分を空っぽにする。
そして、ようやく気づく。
自分まで消えてしまう愛し方は、
愛の完成ではなかったのだと。
私の胸の奥には、
ずっと順番を待っていた小さな私がいた。
👤「今度は、私も一緒に幸せにして」
その声を聞くまで、
ずいぶん長い時間がかかった。
私は何度も倒れた。
美しく膝をついたわけではない。
だいたい顔から転び、そのまま床に寝転がって、
「もう起きません」
と温かいものを流しながら天井に宣言した。
天井は無口なので、
いつも最後はこちらが折れる。
泣き疲れれば喉が渇く。
水を飲むために起き上がり、
ついでに甘いものをひとつ食べる。
人間の再起は、
壮大な決意より、
一枚のクッキーから始まることもある。
うまく愛せなかった日があっても、
愛そのものが偽物だったわけではない。
間違いに気づき、
誰かの痛みを知り、
次はもう少し優しく触れようと学び直す。
その繰り返しが、
愛を少しずつ本物にしていく。
本物とは、
一度も壊れないものではないのだと思う。
壊れた自分の欠片を拾い、
もう誰も傷つけないように角を丸くしながら、
震える指でもう一度、差し出せるもの。
誰かが受け取らなかったからといって、
差し出した愛まで、なかったことにはならない。
手を離されたからといって、
その手を温めようとした私のぬくもりまで、
消えてしまうわけではない。
届かなかった祈りも、
祈った人の中には残る。
そしていつか、
次に出会う誰かを、
少しだけ優しく抱くための温度になる。
だから私は今日も、
震える指で、そっと掴む。
今度は誰かの手より先に、
何度も置き去りにしてきた、
私自身の手を。
もう自分を捨てて愛するのではなく、
私は私を連れて、愛しにゆく。
もし今日、
自分はうまく愛せなかったと泣いている人がいるなら、どうか覚えていてほしい。
あなたの愛は、
終わったのではない。
まだ、途中にいるだけだ。
人は愛を知ってから愛するのではない。
愛しながら、愛を習っていく。
もし最後の日に、
この人生で何を残せたのかと問われたなら、
私はこう答えたい。
うまくはできませんでした。
それでも、
あなたがこの世にいてくれてよかったと、
何度でも思いました。
完成していないのに、
私は愛することを諦めませんでした。
それが、
私の唯一の本物でした。
🌹
愛の道
転び寝転び
また惚れる
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10:00~16:00


























