回復力が高い人って、なんなのでしょう。
落ち込んでも、怪我をしても、病気になっても、ほかの人より早く立ち直る。
もしかして身体のどこかに「再起動」という赤いボタンがあるのでしょうか。
残念ながら、人間ドックの検査項目にはありません。
回復の速さは、ひとつの才能ではないそうです。
生まれつきの体質、年齢、傷や病気の種類、血の巡り、免疫の働き、持病や薬、睡眠、食事、治療を受けられる環境、そして周囲の支え。
何枚もの薄い毛布が重なって、ひとりの人を温めています。
同じ風邪に見えても、同じ戦いではありません。
同じ失恋に見えても、失ったものの重さは違います。
だから、回復の遅い人は弱いのではなく、ほかの人には見えない重い荷物を持っていることがあります。
心の回復力が高い人も、落ち込まないわけではありません。
ちゃんと落ち込みます。
けれど、落ち込んだ自分にまで石を投げません。
「今日は休もう」
「これは私の全部ではない」
「ひとりでは持てないから手伝って」
そう言える人です。
問題を小さく分ける。
変えられることをひとつだけ変える。
必要なら予定を変える。
眠る、食べる、薬を飲む、治療やリハビリを続ける。
そして、誰かの手を借りる。
回復力とは、ひとりで立ち上がる力ではなく、差し出された手を握れる力でもあるのでしょう。
それから、早く元気になったように見えて、本当は痛みを隠している人もいます。
笑っているから、もう平気とは限りません。
人間は、ときどき心に包帯を巻いたまま、「通常営業です」という札を出します。
私はこれから、山でも続けられる働き方を学びたいと思っています。
だから、決して倒れない人よりも、倒れた仲間に毛布をかけ、戻ってくるまで仕事を分け合える人に会いたい。
本当の強さとは、傷つかないことではありません。
傷ついた自分や誰かに、
「早く元に戻りなさい」
と命令せず、必要なものをひとつずつ手渡せること。
回復には、その人だけの時間があります。
春の花にも、早咲きと遅咲きがあるように。
遅く咲いた花だって、春に間に合わなかったわけではないのです。
なお、どれほど回復力の高い人でも、足の小指を家具にぶつけた瞬間だけは、全人類ほぼ同じ姿勢でうずくまります。
人間は、そこだけ平等です。
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よく眠り
からだの会議
まとまりぬ
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